【〇〇万円】フリースクールの年間費用はどれくらい?指導経験者が種類別に徹底解説

「子どもをフリースクールに通わせたいけれど、費用がどのくらいかかるのかわからなくて不安……」

「高いお金を払ったのに、もし子どもに合わなかったらどうしよう……」

こうした悩みを持つ保護者の方は少なくありません。フリースクールは学校教育法上の「学校」ではないため、基本的に費用はすべて自己負担となります。年間で数十万円から数百万円かかる場合もあり、内容をよく理解せずに入学してしまうと、子どもにも家庭にも大きな負担になってしまう可能性があります。

私は特別支援教育の教員免許を持ち、実際にフリースクールに通う子どもたちを指導した経験があります。その立場から、本記事では次の3点をわかりやすく解説します。

  • フリースクールにはどんな種類があるのか
  • フリースクールを利用するにはどのくらいの費用がかかるのか
  • フリースクールをなるべく安く利用するために活用できる制度や工夫はなにか

この記事を最後まで読めば、フリースクールの費用に関する疑問や不安が解消され、安心して子どもに合った学びの場を選べるようになるはずです。


結論:フリースクールの年間費用相場は12万円〜400万円

フリースクールの費用は種類によって大きく異なります。

通学型(対面型)のフリースクールは月5〜10万円、年間60〜120万円が相場となります。また、交通費や教材費を含めるとさらに増えることもあります。

オンライン型は月1〜5万円、年間12〜60万円。他の種類と比較して安価で、外出が難しい子どもでも利用しやすいという特徴があります。

全寮制は授業料に加えて寮費・食費を含むため、年間150〜400万円と高額です。そのため子どもへの生活支援が手厚い一方で、家計負担は大きい傾向があります。

全国平均では月33,000円、年間40万円程度という調査もあり、スクールの種類によって幅が大きいので、子どもにあったスクールを選ぶことが大切です。

フリースクールについて

フリースクールとは?

フリースクールは、学校に行けなかったり、うまくなじめなかったりする子どもが、安心して自分らしく学べる場所です。授業のような学習活動はもちろん、先生やスタッフとの相談、体験活動などを通して、子どもの「学びたい」「成長したい」という気持ちを支えてくれます。

多くの場合は、小学校や中学校などの在籍校に席を残したまま通う形になります。そのため、校長先生の判断によっては、フリースクールに通った日が「出席扱い」になることもあります。

「出席日数が足りなくて進級や進学が不安…」というご家庭にとっては、とても大きな安心材料になるでしょう。

ただし、フリースクールはあくまで「学校」ではありません。そのため卒業資格は得られないのが現実です。進学を考えるときは、在籍校を卒業するか、通信制高校などにつなげていく必要があります。

フリースクールは民間の施設なので、基本的には国からの助成はなく、自己負担になります。スクールごとに授業料やサポート内容が大きく違うので、「どんな活動ができるのか」どこまで見てもらえるのか」をきちんと確認しておくことが大切です。

最近では、自治体によっては独自に補助金や助成制度を用意しているところもあるので、住んでいる地域の制度もあわせて調べてみると安心です。

フリースクールの種類

フリースクールにはいくつかの形態があり、それぞれに特徴やメリットがあります。代表的なのは以下の3種類です。

フリースクールの種類① 通学型

通学型は、学校と同じように施設へ通い、週に数日から毎日まで登校できるタイプです。

  • 先生や仲間との直接的な交流ができ、人間関係の回復や社会性の育成につながる。
  • 学習時間や生活リズムを整えやすく、規則正しい学習習慣を身につけやすい
  • 交通費や通学時間がかかるため、近隣に施設がないと難しい。

フリースクールの種類② オンライン型

オンライン型は、インターネットを通じて自宅から授業や交流に参加するスタイルです。

  • 外出に不安がある子どもや、地方に住んでいて近くに施設がない家庭に適している。
  • 通学の負担がないため、費用が比較的抑えられるのも特徴。
  • 画面越しのやり取りになるため、対面の交流や体験活動が不足しやすい

フリースクールの種類③ 全寮制型

全寮制型はスクールに付設している寮に入寮し、学習だけでなく生活面も含めて支援するスタイルです。

  • 施設に入寮することで、規則正しい生活習慣を取り戻しやすい
  • 自立心を養い、生活スキルや人間関係を総合的に学べるのが大きなメリット。
  • ただし費用は非常に高額で、年間150〜400万円程度かかる場合もあり、家計負担が大きい。

実際にフリースクールを体験した話

実際にフリースクールに通っている子どもや保護者の声をご紹介します。

・小学5年生の男の子の場合

学校の集団生活が苦手で、不登校が続いていましたが、週に3回フリースクールに通うようになりました。

午前中は自分のペースで勉強、午後は畑仕事や工作などを体験。最初は不安そうでしたが、少しずつ友達もでき、「今日はこれができた!」と家で笑顔を見せる日が増えたそうです。

・中学生の保護者の場合

勉強に遅れが出るのが心配でしたが、個別で教えてもらえるので本人のペースに合っていました。

学校に行けないことを責められない環境で、安心して通えています。費用はかかりますが、子どもの笑顔を取り戻せたのは何よりの収穫でした。

こうした例からもわかるように、フリースクールはただ勉強をするだけでなく、子どもが自分のペースで社会とのつながりを回復できる場でもあるのです。

フリースクールの年間費用の内訳

フリースクールの費用は形態によって大きく異なります。代表的な種類と月額費用の目安を以下の表にまとめました。

種類月額費用備考
通学型50,000〜100,000円交通費等別途必要な場合あり。
オンライン型10,000〜50,000円インターネット環境やPC・タブレットが必要。
全寮型150,000〜300,000万円授業料に寮費・食費等含む。

通学型は月額5万〜10万円が一般的で年間60万〜120万以上となる場合が多いです。学校の施設維持費やスタッフの常駐によるコストが加わるため、オンライン型より高額になる傾向があります。

また、体験型プログラムへの参加や交通費によって費用が上がる場合があるので注意が必要です。

オンライン型は月額約1~5万円程度、年間12万~60万円程度が相場です。オンライン型は自宅から参加できるため交通費は不要で施設の維持費も比較的安価です。

一方で、学習用のパソコンやタブレット、通信環境の整備が前提条件になりますので、自宅に環境が整っていなければ別途料金がかかります。

全寮型の場合は寮費・食費等を含むため非常に高額で、年額で約150~400万円程度に達するケースがあります。規則正しい生活や自立支援を重視できる一方で、費用負担は非常に大きいです

その料金は入寮する期間やサポート内容によって変動するため入学前に確認が必要です。

フリースクール入学時と年間の費用内訳

フリースクールにかかる費用の一例としてフリースクール・サポート校を運営する学研WILL学園のデータをご紹介します。

全てのフリースクールにかかる費用

種類費用備考
入学金5,000〜50,000円学校によっては無料な所もある。
授業料(月謝)15,000〜50,000円通学日数やコースにより変動
教材費年間10,000〜20,000円プリント・書籍・学習ツール代など
施設維持費・会費月1,000円〜30,000円冷暖房費や運営費などを含む

一部のスクールにかかる費用

寮費月150,000〜300,000円食費・光熱費・管理費を含む。
行事費・諸経費年間50,000〜200,000円合宿・遠足・イベント参加費
交通費・昼食代通学状況や家庭環境による通学の場合は家庭負担。

フリースクール費用の自治体の助成制度

フリースクールは国の制度による公的な学校ではないため、基本的には費用を自己負担する必要があります。しかし近年、不登校の子どもを支援する流れが全国的に広がり、自治体独自の助成制度を設けるケースが増えてきました。

支給額や条件は地域により異なりますが、月額1~4万円程度が多く、都道府県レベルや市区町村レベルで制度が整備されつつあります。

以下に主な実施例を紹介します。(2025年8月18日現在)

  • 東京都:都内在住の不登校の小・中学生を対象に月上限20,000円を助成。夜間や休日だけの利用は対象外。品川区や港区など一部区では追加補助もあり。
  • 千葉県市原市:市原市在住の不登校の小・中学生を対象に月20,000円の補助。オンライン型も対象。
  • 滋賀県草津市:認定施設を利用する児童生徒を対象に月40,000円まで支給(条件あり)。自治体レベルでは最も高額な部類。
  • 兵庫県姫路市:姫路市在住の不登校の小・中学生を対象に月10,000円の補助。

こうした制度は全国的に拡大傾向にあり、今後も他の自治体で導入される可能性があります。

利用を検討している方は、必ずお住まいの自治体の公式ホームページや教育委員会で最新情報を確認してください。

フリースクールの費用軽減策

自治体の助成金の他にもフリースクールの費用を軽減する方法はいくつかあります。経済的な事情を抱える家庭でも利用できるように、施設ごとにさまざまな費用軽減策が用意されています。代表的な例を紹介します。

・奨学金制度・学費減免

例として「スタディプレイス」では、児童扶養手当を受給している世帯や生活保護世帯などを対象に、入学金を全額免除しています。他にも授業料も50〜70%の減免があり、家計への負担を大きく減らすことが可能です。

その他のフリースクールでも、独自の奨学金や支援金を設けている場合があるため、事前確認が重要です。

・分割払い対応

一括払いが難しい家庭に向けて、月謝制や数回の分割払いを導入するスクールが増えているます。全寮制のフリースクールのように年間で数百万円かかるケースでも、分割することで支払い負担を平準化できるところが利点です。

分割払いに対応しているかはスクールによって異なるので学期ごとや月ごとに支払えるかどうかも、スクール選びのポイントとなります。

・体験入学・短期コース

いきなり長期契約をせず、数日〜数週間の体験コースを設けているフリースクールも数多くあります。子どもに合っているかどうかを見極めながら、費用負担を抑えて利用開始できる点が魅力です。長期的に続けるかどうかを判断する「お試し期間」として活用するのがおすすめです。

フリースクールの年間費用まとめ

フリースクールは、学校にうまくなじめない子どもにとって、新しい学びの場となります。ただ、まだ十分に情報が広まっていないため、利用を考える保護者の方が「本当に大丈夫かな?」と不安になるのは自然なことです。

特に気になるのが費用面ですよね。フリースクールは基本的に自己負担となるため、どうしても経済的な心配は大きくなりがちです。実際、フリースクールには通学型・オンライン型・全寮制型の3種類があり、相場は年間10万円〜400万円と幅広いのが現状です。

通学型なら交通費や体験活動費、オンライン型ならネット環境、全寮制なら寮費や食費など、形態ごとにかかるお金の内容も大きく変わります。

とはいえ、最近では少しずつサポートの仕組みも整ってきています。たとえば、自治体による助成制度や、フリースクール独自の減免制度を利用できるケースも増えており、これらを上手に活用すれば家計への負担をグッと軽くできる可能性があります。

そして、何より大切なのは「費用や資料だけで決めない」こと。実際に見学や体験をして、子どもが安心して通えるかどうかを確かめることが一番のポイントです。安心できる居場所を見つけることが、子どもの未来につながる大切な一歩になります。

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